発表
2026年10月7日、AI 検索エンジンで知られる Perplexity は、検索用のオープンな埋め込みモデル群 pplx-embed-v2-late を Hugging Face で公開しました。パラメーター数 6億と90億 の2モデルで、ライセンスは MIT(商用利用可)です。その1週間前には pplx-embed-v2-context も公開しています。
どちらも マルチモーダル で、テキストと画像(写真、スクリーンショット、PDF やスライドを描画したページ)を OCR なしで インデックス化し、表やレイアウトを保ちます。
何が違うのか
1. レイトインタラクション(ColBERT 方式)。 文書全体を1つのベクトルにまとめるのではなく、トークンや画像パッチごとに128次元のベクトル を出力します。検索時には、質問の各トークンが文書内で最も似た部分を探します(MaxSim スコア)。質問の各部分が文書の別々の部分と一致できるため、一般に精度が高くなります。
2. サイズ間で共有される空間。 2つのモデルは、同じ社内の180億パラメーターの「教師」モデルからトークン単位で蒸留されています。実際には、高品質な9B で文書を一度インデックス化 し、ノート PC でも動く 高速で安価な0.6B で検索 でき、インデックスを作り直す必要はありません。
数字
- Perplexity によると、ViDoRe V3(視覚的な文書検索)で0.6B モデルは アクティブパラメーターが5倍のモデルに匹敵 します
- AI Weekly の報道によると、9B は MADQA で92.4%(約1万8000ページの PDF に対する500問)
- 結果は同社によるもので、詳細な技術レポート は「年内」に公開予定です
限界
- 1つの入力はテキスト か 画像のどちらかで、両方を同時には扱えない
- レイトインタラクションは文書ごとに多数のベクトルを保存するため、従来の埋め込みより インデックスがかなり大きく なり、マルチベクトル対応のベクトル DB が必要
- ホスト型 API はまだ提供されておらず、現時点では自前で運用する人向け
なぜ重要か
企業の知識は PDF、スライド、スキャンした表、スクリーンショットに眠っています。OCR を挟むパイプラインは表を崩し、視覚的な文脈を失います。ページ画像をそのまま検索できる オープンモデルが、寛容なライセンスと検索用の小型モデル付きで手に入れば、企業の RAG はより正確で安くなります。
評価の進め方
- 実際の文書(マニュアル、契約書、報告書)と、答えの分かっている質問を用意する
- 現在の埋め込みと、正答率と 保存コスト で比較する
- 9B でインデックス + 0.6B で検索 の組み合わせを試す
- 使っているベクトル DB がマルチベクトル(MaxSim)に対応しているか確認する
出典
- Perplexity ブログ: https://www.perplexity.ai/en-GB/hub/blog/multimodal-embeddings-beyond-a-single-vector
- Hugging Face, perplexity-ai/pplx-embed-v2-late-9b: https://huggingface.co/perplexity-ai/pplx-embed-v2-late-9b
- AI Weekly (8/10/2026): https://aiweekly.co/alerts/perplexity-open-sources-pplx-embed-v2-late-924-on-madqa
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