2 つの SDK の出自
OpenAI Agents SDK は OpenAI 自身が `assistants` API の後継として設計した「ステートフル」な SDK で、サーバ側でセッション状態を管理する。Claude Agent SDK は逆に「ステートレス」な設計で、状態は基本的にクライアント側で管理する。この差が運用感の差になる。
API 設計
| 観点 | OpenAI Agents SDK | Claude Agent SDK | | --- | --- | --- | | ステート | サーバ側 | クライアント側 | | ツール定義 | OpenAPI 互換スキーマ | TS/Py 関数 + MCP | | サブエージェント | Handoff | Subagent + Hooks | | ストリーミング | event-stream | event-stream | | 観測 | OpenAI ダッシュボード | OTel ベース |
開発体験
OpenAI Agents SDK は「サーバ任せで実装が薄くなる」のが利点だが、デバッグ時にサーバ内部に隠れた状態が見えにくい。Claude Agent SDK は記述量はやや多いが、ローカルで完結するため CI 上のテストが書きやすい。
コスト
純粋なトークン単価では Claude Opus 4.5 が高め、GPT-4o/o1 系列が中、安さなら DeepSeek/Qwen 経由の代替実装。OpenAI Agents SDK で GPT-4o-mini を使うとコスト最安になるが、複雑な推論タスクでは精度が頭打ちする。Claude Agent SDK 経由で Sonnet 4.6 を使うのが「コストと精度のバランス」では現実的。
観測性
Claude Agent SDK は OpenTelemetry の標準 span を吐ける(v0.4 以降)。OpenAI Agents SDK はダッシュボードでの可視化はリッチだが、外部 SIEM への取り込みは追加実装が必要。
ガードレール
両 SDK ともに output filter / safety policy のフックを持つが、Claude Agent SDK は社内外の Llama Guard 3 / Claude Guard と組み合わせやすい設計になっている。
用途別おすすめ
- 短期 PoC、運用工数最小化 → OpenAI Agents SDK
- 自社プロダクトへの深い組み込み、観測性重視 → Claude Agent SDK
- マルチプロバイダ運用、ベンダーロックイン回避 → LangGraph / AutoGen 等のメタ層を使う
まとめ
選定基準は「ステート管理を誰が持つか」と「観測性をどこまで自社で握るか」。SaaS 製品としてエージェントを売るなら Claude Agent SDK、社内向けの素早い PoC なら OpenAI Agents SDK が立ち上がりが早い。