発表
2026年10月7日、Liquid AI は珍しい2つのモデル d1-3B と d1-omni-600M の重みを Hugging Face で公開しました。これらは 「意思決定モデル」 で、テキストを生成しません。状態(サポートチケット、JSON、写真、またはそのすべて)と名前付きの質問を渡すと、モデルは自身の確率分布から直接読み取った答えを返します。使用量カウンターの 出力トークンは0 です。
3種類の質問
- はい/いいえ: 「はい」の確率を0〜1で返す
- 選択: リストからラベルを1つ選び、ラベル、信頼度、各選択肢の確率を返す
- スケール: 状態を2〜10段階の順序尺度上に位置づける
同じ状態への複数の質問は1回の処理で答えられます。Liquid によると 3問でも1問の約1.3倍の時間 です。テキストを生成しないので、壊れた JSON、ループ、勝手な形式は起こりません。
2つのモデル
- d1-3B(31.2億パラメーター):LFM2.5-VL-3B から派生。テキストと画像を読み、コンテキストは3万2768トークン、16言語に対応
- d1-omni-600M(5.87億):同じ重みでテキスト、画像、最大30秒の音声 を読む エンコーダー。初期の研究版と位置づけられている
数字(Liquid 自身による)
- Decision Index 0.2.1: d1-3B は 48.57。同社の表で10B 未満の首位、12倍大きい意思決定モデルも上回る。スコアは公開リーダーボードへの提出ではなく Liquid 自身が算出
- 遅延: RTX 4090 で 1問あたり約8ミリ秒、最小の Jetson Orin Nano で50ミリ秒
- デモでは、専用の学習なしで生産ラインの良品と不良品を85〜97%の精度で仕分け、6タスク中4つで最先端モデルと同等以上、コストは19〜200分の1だと主張。いずれもベンダーが選び、実施したテスト で、独立した再現はまだない
動作環境
llama.cpp、GGUF 版や量子化版、Jetson までの NVIDIA スタックに対応。Liquid は 入力トークンのみ課金 のホスト型 API も提供しています。ライセンスは Liquid 独自(Apache や MIT ではない)なので、商用利用の前に条件を確認してください。
なぜ重要か
企業の AI タスクの多くはテキストを必要としません。チケットの分類、承認か却下か、不良の検出、ルートの選択 などです。生成型 LLM をこれに使うと高価で壊れやすい(JSON の解析、形式外の回答)。ミリ秒で判断だけをするモデルは、高価な LLM 呼び出しの前段の 安価なフィルター になりえます。
試し方
- ラベルが明確な実際の分類タスクを選ぶ
- 今使っている LLM と、精度、遅延、コストを比較する
- 返される 信頼度 を使い、判断が難しいケースだけを人や大きなモデルに回す
出典
- Hugging Face, LiquidAI/d1-3B: https://huggingface.co/LiquidAI/d1-3B
- Hugging Face, LiquidAI/d1-omni-600M: https://huggingface.co/LiquidAI/d1-omni-600M
- OrcaRouter の分析(2026年10月8日): https://www.orcarouter.ai/blog/liquid-ai-d1-open-weights-release
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