発表
2026年10月6日、Google DeepMind は オープンなマルチモーダル埋め込みモデル EmbeddingGemma 2 を Apache 2.0(商用利用可)で公開しました。テキスト、コード、画像、動画、音声 とその組み合わせを、共通の768次元空間 のベクトルに変換します。音声メモから動画の一場面を探したり、何時間もの録音を一文で検索したりできます。
Google によると、テキスト専用だった初代 EmbeddingGemma は 2000万ダウンロード を超えました。
仕様
- 合計 7億4000万パラメーター、Gemma 4 アーキテクチャがベース
- モジュール式: 必要な部分だけ読み込める。テキストとコードは 2.7億、画像付きで 4.4億、音声付きで 5.7億、全部で 7.4億。どれも互換性のあるベクトルを出力
- テキストとコードで 8,192トークン のコンテキスト、100以上の言語
- マトリョーシカ表現学習(MRL): ベクトルを 512、256、128次元 に切り詰められ、品質の低下を抑えつつベクトル DB の容量を 最大6分の1 に
- MTEB(Code)で初代より 14%向上、多言語の品質は維持
- sentence-transformers(v6.1.0以降)で利用:
SentenceTransformer("google/embeddinggemma-2")。float16 ではなく bfloat16 か float32 を使用
なぜ重要か
埋め込みは 意味検索と RAG の土台です。これまで、写真、点検動画、コールセンターの録音、PDF マニュアルを持つ企業は、複数のモデルと別々のパイプラインを必要としていました。ノート PC、スマートフォン、CPU で動く小さな単一モデルなら:
- 社内のマルチメディア検索:「バルブの腐食が映っている点検動画」
- 端末内・オフラインの RAG: 機密データをクラウドに送らずに済み、個人情報保護法(APPI)対応にも有利
- 軽いパイプライン: Gemma 4 とトークナイザーと音声エンコーダーを共有するため、少ないメモリで一緒に動かせる
注意点
- ベンチマークは Google 自身の数字。とくに日本語では自社データで検証を
- 動画はフレームのサンプリングを調整する。長い動画の埋め込みはコストがかかる
- 128次元への切り詰めは容量を節約できるが、Google は主にテキスト向けに推奨
- 埋め込みモデルを替えると全データの 再インデックスが必須。移行計画を立てる
始め方
- 小さな用途を選ぶ(例:保守写真の検索)
- メモリ節約のため必要なエンコーダーだけを読み込む
- 現在の埋め込みと精度・保存コストを比較
- その後、音声や動画に広げる
出典
- Google Blog (2026-10-06): https://blog.google/innovation-and-ai/technology/developers-tools/embeddinggemma-2/
- Google Developers Blog, "EmbeddingGemma 2: The Developer Guide": https://developers.googleblog.com/en/embeddinggemma-2-the-developer-guide/
- EmbeddingGemma 2 model card: https://ai.google.dev/gemma/docs/embeddinggemma/model_card_2
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