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エッジコンピューティング実践: Cloudflare Workersで何ができるか

Edge Computing in Practice: What You Can Do with Cloudflare Workers

鈴木 健一 / Kenichi SuzukiFull-Stack Engineer
2026-03-2410分
Edge ComputingCloudflare WorkersD1R2KVPerformance

Artikel ini diterbitkan dalam Bahasa Jepun. Ringkasan dalam Bahasa Melayu di bawah:

Edge Computing in Practice: What You Can Do with Cloudflare WorkersCloudflare Workers、D1、R2、KVを使ったエッジコンピューティングの実践事例。パフォーマンスベンチマークとリアルなユースケースを共有する。

エッジコンピューティングとは何か

エッジコンピューティングは、ユーザーに物理的に近いサーバーで処理を実行する技術だ。従来のクラウドコンピューティングでは東京リージョンやバージニアリージョンなど限られた拠点にサーバーがあるが、Cloudflare Workersは世界300以上の拠点にコードをデプロイし、ユーザーの最寄り拠点で実行する。KGAが実プロジェクトでエッジコンピューティングを活用した事例と、実測パフォーマンスデータを共有する。

Cloudflare Workers: V8 Isolateの威力

Cloudflare WorkersはChrome V8エンジンのIsolate上でJavaScript/TypeScriptコードを実行する。コンテナやVMではなくIsolateを使うため、コールドスタートが0ms(正確にはサブミリ秒)で、リクエストごとの起動オーバーヘッドが極めて小さい。

AWS Lambda@Edgeのコールドスタートが100-500msであるのに対し、Workersは事実上コールドスタートなしだ。KGAの実測では、Workersのp50レイテンシが2ms、p99が8ms。同じロジックをAWS Lambdaで実装した場合はp50 45ms、p99 320ms。桁違いの差だ。

制約もある。CPU実行時間は無料プランで10ms、有料プランでも30秒が上限。メモリは128MBまで。長時間処理や大量のメモリを使う処理には不向きだ。ただしほとんどのWebリクエスト処理はこの制約内で十分収まる。

D1: エッジのSQLiteデータベース

D1はCloudflareのエッジに配置されたSQLiteデータベースだ。通常のSQLiteと異なり、リードレプリカが全エッジ拠点に自動分散される。書き込みはプライマリリージョン経由だが、読み取りは最寄りのエッジから行えるため、グローバルに低レイテンシなデータアクセスが可能だ。

KGAのクライアント案件で、ブログプラットフォームのバックエンドをD1に移行した事例を紹介する。移行前はAWS RDS(ap-northeast-1)で、北米からのアクセスでp50 180msだった。D1移行後、全リージョンでp50 15ms以下を達成。SEOスコア(Core Web Vitals)のTTFB指標が大幅に改善し、Googleの検索順位にもポジティブな影響が観測された。

D1の制約として、データベースサイズが最大10GBまで(2025年12月時点)。大規模データの場合はPlanetScaleやNeon等のサーバレスDBを検討すべきだ。また、書き込み性能は100 writes/secが目安で、高頻度書き込みの用途には向かない。

R2: S3互換のオブジェクトストレージ

R2はS3互換のオブジェクトストレージで、最大の特徴はエグレス費用が無料な点だ。AWSのS3でデータ配信すると$0.09/GBのエグレス費用がかかるが、R2はゼロ。画像や動画のCDN配信コストが劇的に削減される。

KGAのクライアント(メディアサイト)では、月間5TBの画像配信をS3 + CloudFrontからR2 + Workers(画像リサイズ付き)に移行。月額CDNコスト$650がR2のストレージ費用$75のみに削減された。さらにWorkersで画像のリサイズ(webp変換、レスポンシブ対応)をエッジで行うため、オリジンサーバーへの負荷もゼロ。

KV: グローバルKey-Valueストア

Workers KVは結果整合性のKey-Valueストアで、設定データ、feature flags、キャッシュに最適。読み取りのp50レイテンシは5ms以下(グローバル)で、読み取り重視のワークロードに適している。

KGAではfeature flagsの管理にKVを使用している。新機能のロールアウトをKVの値で制御し、Workers側で参照。管理画面からKVの値を変更するだけで、全世界のエッジに60秒以内に反映される。従来のfeature flag SaaS(月額$200)を自前実装で置き換えた。

実プロジェクトのアーキテクチャ

KGAが構築したエッジファーストなアーキテクチャを紹介する。グローバルSaaSプロダクトで、Workers(APIロジック)+ D1(メタデータ)+ R2(ファイル)+ KV(キャッシュ・設定)の構成。

リクエストフロー: ユーザー→最寄りのCloudflareエッジ→Workers(認証、ビジネスロジック)→D1(データ取得)→レスポンス。全てがエッジで完結するため、どの国からアクセスしてもレスポンスタイムが安定する。KGAの実測で、東京 8ms、サンフランシスコ 12ms、ロンドン 10ms、サンパウロ 15ms。

月間コスト: Workers $5(有料プラン)+ D1 $0.75 + R2 $15 + KV $5 = 合計約$26/月。同等の構成をAWS(API Gateway + Lambda + RDS + S3 + CloudFront)で構築すると月額$300-500程度。10分の1以下のコストで、かつパフォーマンスは上。

エッジの限界と使い分け

万能ではない。以下のケースではエッジは不向きだ。複雑なデータベース操作(JOIN多用、トランザクション重視): 従来のRDB推奨。重い計算処理(ML推論、動画エンコード): GPUインスタンス推奨。大量データの書き込み: 従来のデータベース推奨。ステートフルなWebSocket接続: Durable Objects対応だが制約あり。

KGAの使い分け方針: 読み取り主体のAPI、静的アセット配信、認証・認可、レート制限、A/Bテストのルーティング等はエッジ。データベースの書き込み主体の処理、バッチ処理、ML推論等はオリジンサーバー。この切り分けにより、全体のインフラコストを40%削減しつつ、ユーザー体験(レスポンスタイム)を3倍に改善できた。

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